はやくねろ

Autonomous 自律のはやくねろのネタバレレビュー・内容・結末

Autonomous 自律(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後までセリフなし、登場人物も他の人間がいる様子はあれど接触はなく、1人の男性のみに焦点を当てている。不思議と退屈には思わなかった。かなり好みが分かれると思う。自分は好きだ。
言葉を使わずに視覚情報のみで言いたいことを伝える映像はなかなか作るのが難しいが、それがしっかりできているのではないかと思った。むしろ無駄な言葉がないことでより強さが出ているのではないかと感じた。大抵こういった作品は作者の一人歩きになってしまうが、そんなことはなく、視聴者と共に歩むような映像になっているのではないかと思う。所々、状況説明が欲しくなるような点はあるが、そこまで説明するのはこの作品では必要ないと感じたので、これが最善のように思う。
映像を観ているととても丁寧な描写で生を力強く感じた。私たちが生きるにも、他の生物の命を活用して生きているのだと。この作品では命を奪うのではなく、失ってしまった命を頂いて生きているという描き方が良いと感じた。実際それだけでは自然で生きていけないが、主人公の生き物を無駄にしない姿勢が好感を持てた。
今まで住んでいた場所を失ってしまったシーンでは、言葉も発していない、涙も流していない、表情もほぼ変わりがないのに、主人公の悲しみを感じた。普通使う表現を使わずに、感情を伝える力はすごいと思った。画面構成や時間などで伝えることができると分かった。
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