Reko

キラーカブトガニのRekoのネタバレレビュー・内容・結末

キラーカブトガニ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

いやあ、凄く…好きでしたね!!!!!

冒頭、ビーチでSEXするバカップル。
そこに忍び寄る、カブトガニの影…
そして飛び散る肉片! 肉塊! 最高のOP!
これぞB級映画の始まり方!!!

全体を通して言えることは、監督がB級映画が大好きで、おそらく日本の特撮がめちゃくちゃ好きなんだろうなということ。お決まりのB級要素も盛り込みつつ、終盤にはまさか、海外産B級映画で見れるとは思っていなかった巨大怪獣と巨大ロボとの戦い!熱いぜ!

この作品の特色は、B級映画であり、青春映画であり、特撮映画でもあり、パニックホラー要素のあるコメディ映画である、監督の好きなもの詰め込み作品だということ。これが良い点でもあり、悪い点でもある。見ようによってはB級ファンに嬉しい全部乗せで、逆に言うと全部中途半端。好き嫌いが分かれるということですね。
私はめちゃくちゃ好きですが!!!!!

この作品の魅力のひとつは、何と言ってもキャラクターの良さです。何しろ嫌な奴がいねぇ! ヒロインに車椅子を押されて登場する脚の不自由な主人公、B級映画で見たことないけど!? 登場から仲良しで、恋人っぽいけどまだ付き合ってない様子のヒロインと主人公、そりゃ応援するよね。

ヒロインの母親は二人の通う学校の教師で、どぇりゃ〜若美人で「母娘じゃなくない…?」って女優さんたちの実年齢調べたら、17歳で産んでる計算になったのでセーフ!
そのママと恋仲になるのが、主人公の兄。この主人公の兄、序盤は主人公に苦言を呈したりしてちょっと意地悪な兄ちゃんか!? ってよくある弟イビリを心配したのだけど、全然そんなことなかった! むしろ過保護で心配性だった! 何だコイツら仲良いな。ってほっこりするシーンもあって皆の仲良さにニッコリ。好き。キャラクター皆好き。

警官やってる兄ちゃんの上司が、これまた良さげなキャラクターの陽気なオッチャンなんだけど、パニックパートで死んじゃうんですよねぇ…銃ぶっぱなすGG無双パート見たかった。

その代わりと言うか、ヒロインと主人公の同級生で変人扱いされてるラドゥという青年。見た目も絶妙にちょいキモくて、おバカで、言動もキモくて、このキャラクター登場の意図は…? と困惑するんだけど、このラドゥがヒャッハー担当でしたね! 謎の武装して刀振り回すというね! エンドロールでも活躍するので、ぜひ最後まで観て欲しい。

ここまでカブトガニにほとんど言及がないことからもわかるように、真ん中はザ・青春映画やってて、モンスターパニックを期待してる人は肩透かしを食らう可能性がある。

ここで出た! 陰キャが恐れるプロム!!!
ようやくモンスターパニックが始まります。途中ちょこちょこ不穏なカブトガニの影はあるんだけど、本当にがっつり出てくるのがこのプロム中、パーティ会場にて。
あれよあれよと町中でカブトガニ・パニックが起こるのだが、このキラー・カブトガニ、何と三種類いるらしい。標準サイズの小カブトガニ、人より大きい2mくらいの大カブトガニ、そして、全てのカブトガニを撃退した…と息をついたその時に登場した、ビル級の大きさを誇る超巨大カブトガニが海に!

という流れで、今までの伏線を踏まえた巨大ロボット作りが始まります。兄弟の父親が残した納屋の作業場にはガラクタの山があり、まさにロボット作りに打って付けの宝の山!と言わんばかりに、皆でガラクタを手にカメラ目線で「スピードメーター!」とか「救命浮き輪!」とか「プロペラ!」とかカメラに見せる謎のメタ要素を入れてくるんですよ。何で? 意味わからん。好き。

そして超巨大カブトガニが上陸すると共に、巨大ロボット発進! そのロボットの姿は! まさに!!!

!!!!!!!🦈サメ🦈!!!!!!!!

いやサメロボットやんけ!!!!!
この作品の日本版ポスターに「サメの時代は終わった」とか書いてるんです。初見だと世に溢れるサメ映画への揶揄かと思っていたけど、サメロボットが出てきたとなれば話が変わってくる。
このキャッチコピー考えた人、天才か?

特撮パートは拙さもありはしますが、監督の特撮への深い愛情が存分に伝わってきます。いや普通に凄いよこれ、B級映画で見れる映像じゃないよ。

たった80分の中にこの熱量が全部詰め込まれてるんですよね! 素晴らしい! ブラボー! 最初から最後まで全部楽しめる、最高のB級映画。もはやA級と呼んでもいいと思う。

監督の次回作があれば、是非観たい。

あと、エピローグで日本上陸してくれたのも嬉しかったですね。日本のビル群を襲う超巨大カブトガニの数々、その向こうに見える富士山…富士山入れたかったんだろうな…

最後の最後に、実際にカブトガニを見かけてもイジめないでね、の注意喚起にほっこりした。サメ映画では見れない注意喚起だ(笑)

最初から最後まで全部楽しめる(二回目)
「キラーカブトガニ」ぜひ観てください。
Reko

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