スワヒリ亭こゆう

VESPER/ヴェスパーのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

VESPER/ヴェスパー(2022年製作の映画)
1.5
本作はリトアニアのSF映画らしいです。
近未来、生態系が崩れてしまい遺伝子工学で食い止めようとするも失敗してしまい人が生きるには過酷な環境になった世界で生きる少女を描いた作品です。
予告を観て面白そうだと思い、映画館へ行ってきました。

ハリウッド映画じゃないSF映画。当たりなら良かったんですけど、今回は大外れです。
あんまり本作に関して詳しく調べてないけど、原作か何かあるんですかね🤔
ハッキリ言って世界観の作り込み方が外見だけで、中身が全く無くて薄っぺらい。
ディストピア・ムービーなんですけど、どうやって生きてるのか?全く分からなかった。
どういう意味かと言うと、
富裕層が暮らすエリアとそれ以外の人に分断された世界なんです。富裕層の暮らしはどうなってるのか?全く分かりません。
ヴェスパーという少女はそれ以外の人々。彼女はミミズとか気持ち悪い根っこみたいなのを食べてるんですよ。絶対に栄養素が無いし、水らしき物も見当たらない。
ディストピア・ムービーは嫌いじゃないけど、過酷な環境で生きる人間の姿を見せないと意味が分からないんです。どうやって生きてるのか分からないので、追いていけないんですよ。
寝たきりのお父さんがいるんですけど、彼の設定もよく分からない。寝たきりのお父さんがドローンにリモートで意識が繋がっているんです。
家で寝ながらヴェスパーと共にドローンで行動している。科学的な側面を否定出来るほど僕は知識を持ち得ていないんですが、ハッキリ言って解釈が難しいですね。ドローンとお父さんが繋がってるのかな?って思いながら、それでも腑に落ちず疑心暗鬼で観てしまいました。
現代から科学的な進歩をバイオテクノロジーの進化として近未来を見せてます。
そこは嫌いじゃないんですけど、突飛な発想を説明せずに理解させるだけの説得力は本作には無いです。
それがずっと続いていて、本作オリジナルの用語もバンバン出してくるのにイライラしてしまいました。
みなさん、ご存知!みたいな感じがめちゃくちゃ腹立ちます。
難解な映画という訳ではないんですが、SF映画を作るなら世界観の構築と説得力が必要です。
そしてディテールを詰めていく事で遊びの部分が増えてくると思います。
本作はその過程を省いてしまい、全く楽しめない作品になってしまいました。