猫目

Pearl パールの猫目のレビュー・感想・評価

Pearl パール(2022年製作の映画)
4.2
これは良い‼︎
降り注ぐ、いろんな意味でいっぱいいっぱいのパール(ミア・ゴス)を全身で受け止める映画。後半の長回しとラストの泣き半笑いが素晴らしく、「欲しがるのはやめた、持ってるものを大切にする」という独白も、だから次作ではああだったんだねと納得させる仕上がり。ラストの晩餐🍾🍷はちょっと「ミッドサマー」っぽかった。セダ🐊が長生きで何より

「X」がスラッシャー寄りだったのに対し、こちらは人間ドラマに終始していたのが良かった。お陰で前作を引き立てる作りになっています。
舞台は1918年、第一次大戦下のドイツ移民、閉塞的な田舎で体の不自由な父親の世話をしながら厳格な母親の元での農場経営、夫の従軍、スペイン風邪の流行など時代もあって、若さ溢れるパールには苦しいしだろうし、歪んでいくんだろうなという背景もちゃんと描かれています。前半で十分すぎるくらいイカれてるパールを堪能できるので(田舎ではあれくらい想像力豊かでないとやっていけない)、後半の狂気を行動に移すところなんかは、逆に自分を解放できて良かったね!とほっこりしてしまいました。ここから60年間の生活も見てみたいような気もしました。

三作目も楽しみ!
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