いち麦

キアラのいち麦のレビュー・感想・評価

キアラ(2022年製作の映画)
3.0
(イタリア映画祭2023)
カトリック教会の内部に宿る男尊女卑、階層的支配構造、俗物性…こういった教会組織の嫌らしさをチクリ、チクリと露出させながら、それらに敢然と対決するキアラの凛とした逞しさ。その一方でフランチェスコへの思慕をも覗かせる辺りヒロイン描写にも抜かりがない。
彼女が周囲から信望を得ていくのには幾つかの“奇跡”が関係していたように描かれていたが、最も重要なのは彼女の言葉通り忍耐と英知なのだろうと察し解釈した。この時代の女性がこれだけ卓越した知識や洞察力をどのように獲得してきたのかを是非とも描いて欲しかった。
いち麦

いち麦