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アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~のfujisanのレビュー・感想・評価

3.8
名演説に心揺さぶられる映画でした。

1984年に軍事政権から民政へ移行したアルゼンチンで、軍事政権時代に蔓延した数多くの拷問や暴力の責任を問う歴史的な裁判を勝ち抜いた検事たちの物語。

Amazon Prime Videoオリジナル作品。事実ベースの映画ではありますが、過度に暗い映画にならず、見やすい作品になっていました。

結果的に大きな偉業を達成した検事ですが、ヒーロー感はなく極めて普通のおじさん。居留守使って逃げ回ったり、泣き言を言ったりと人間的で逆に好感が持てるし、リアルです。

軍を訴えるわけですから、当然脅されます。家族がどうなっても知らんぞ、と。

でも家族が強いんですよね。あいつら暇なの?って感じで。息子もサバサバしてて。最後の演説原稿を書くお父さんに、普通の人に伝わる表現になるように添削をしてあげるシーンは良かったです。


編集でちょっと変わってるなと思ったのは、ニュース映像や法廷内で演説を聴く聴衆達のシーンなど、1985年当時の映像をそのまま使い、映画で撮影した映像と交互に編集で繋いでいるところ。

当時の映像との違和感を少なくするために、映画用に撮影した映像部分も少し古い感じのざらついた映像になっているようです。

この映画、多くの方が書いているように最後の演説シーンが感動的なのですが、当時のリアルな映像がさらに大きな感動を与えてくれ、心揺さぶられました。


今年のアカデミー賞 国際長編映画賞にノミネートされているこの作品。この作品か「西部戦線異状なし」かどちらかと言われています。

両方観た感想としては甲乙つけがたい印象ですが、今年はロシアのウクライナ侵攻がある分「西部戦線異状なし」が有利なのかな。。




2023年 Markした映画:79本

4.0以上を付けたのは11本

4.2 スリー・ビルボード
4.2 インビジブル・ゲスト
4.1 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
4.1 ブレードランナー 2049
4.1 NOPE/ノープ
4.0 ザ・コンサルタント
4.0 サイド・エフェクト
4.0 ヘルドッグス
4.0 ブラッド・ダイヤモンド
4.0 灼熱の魂
4.0 ANNA/アナ
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