みむさん

A Different Man(原題)のみむさんのレビュー・感想・評価

A Different Man(原題)(2024年製作の映画)
3.8
ベルリン国際映画祭にて。

顔に損傷を負った俳優志望の男が奇跡的な治療により新たな人生を歩もうとする話。良いほうのA24作品。

事前の作品紹介で「エレファントマン」「フリークス」みたいな周囲の人間の無意識の差別や愚かさ酷さを描いた作品だと予想したが、少し違う視点だった。逆とも言えるかもしれない。これに近い映画あった気がするがすぐに思い出せない。

障害やアイデンティティの向きあい方捉え方、複雑で繊細な問題や考え方をスリラーとコメディを交えて堅苦しさなく描いていた。

セバスチャン・スタンのビジュアルばかりに目が行ってしまいがちだが、彼が演じるエドワードの苦悩も見ものだしセバスチャンが今までよりさらに一歩深みのある演技でとても良い。さらに印象に残ったのは周囲の反応(善し悪し両方)だった。

あとこの話、もしかしてアダム・ピアソンの経験やそこから得たことがオズワルドとエドワードそれぞれに少し入っていたりしないだろうか?
アダム・ピアソンが演じるオズワルドとレナーテ・レインスヴェが演じるイングリッドのキャラクターの方も興味深い人間観察だった(良いキャラクター)。

見た目を変えると自信がつくとかポジティブになると言われることがあるが、果たして本当にそうなのか。そうかもしれないし、そうとは限らないかもしれない。いずれにせよ内面が最重要でそこから他の要因に波及していく、そういう普遍的なことも描いていた。


コメント欄にメモあり👇