ブラックかよ…。
サンタのブラックな労働環境でのてんやわんやかと思いきや、話は別方向へと転がっていく。頭を使わず、気を楽に観られる作品ではあるけれど、主人公と赤いサンタにまつわるエピソードが断片的すぎて分かりにくかった印象。続編を意識しての構成だとしても、映画一本としてはまとまりがあったほうがより堪能できたかなと。
コメディな雰囲気はあれど、しっかり笑えるシーンは少なく。キャスト陣が笑いに向けて体をはっていても、その魅力を引き出す演出が一辺倒で、パターン化されているのがもったいないところ。ただ、台本通りではなさそうな、キャストが自由にわちゃわちゃしているシーンは、どの福田監督作品にも共通で面白かったです。
CG感丸出しなネズミは逆にシュールで気に入っていますが、ラストを盛り上げるための役割としては味気がなさすぎるかなと。ただ、毎回エンカウント的に襲ってくる中ボスネズミは、くどかったけれども張り切っていましたね。
この監督のシリアスなシーンはやはり好きになれないですが、中川大志くんのコンビニバイトの裏話だけは、演技のお陰もあってしんみり、スカッとできました。
話全体をみてもサンタの仕事やべぇ、みたいに盛り上がれるような内容ではなかったですが、主人公の境遇だけを考えれば正真正銘のどブラックでしたね。正式採用される前からとは…。おつかれさまです。
