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探偵マリコの生涯で一番悲惨な日のmasayaのレビュー・感想・評価

3.7
行き交う人の数だけ事情があって、いつも誰かが何かを探しているハードボイルドで胡乱な街・新宿歌舞伎町。探偵業を営むマリコの元に、風変わりな依頼が入る。「この街に紛れ込んだ宇宙人を捜してくれ」マジ混沌のオムニバスドラマ。貴方の探し物は何ですか?

「ミッドナイトスワン」の内田監督、「さがす」の片山監督という話題になった映画の監督さんの共作。歌舞伎町の狭い路地やマリコが切り盛りするバーを中心に、狭い空間で物語が動くので舞台シナリオのような印象を受けたけど完全新作なのかな。

ホストにキャバ嬢、ヤクザ、殺し屋、FBI、宇宙人と登場人物が余りにも曲者揃いな分、主演の伊藤沙莉さんいつになく自身の動きが少なくどっしりした演技。脇役でバタバタしてくれた方が観てる方は楽しいのだけど、こちらはこちらで座長の風格を見せてくれる。

そしてカオスの極致は竹野内豊さんが演じる忍者。何やらせてんだよの出オチで始まる割にはしょっちゅう出てきて物語の重要な部分を担う、宇宙人と並ぶ劇中のファンタジー存在。何ともならないこの世の中で、何とかなるさって言う勇気。無責任だけど救われる。
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