平野レミゼラブル

Bridal, my Songの平野レミゼラブルのレビュー・感想・評価

Bridal, my Song(2022年製作の映画)
2.2
【昭和・平成・令和を繋ぐ式典】
同級生から「結婚しました」だの「子供が産まれました」だのの報せが届く度に、銃を咥え、安全装置を外し、トリガーに指をかけている今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか?
以下も『ウェディング・ハイ』の前書きと全く同じなので省略!!ハイ、本作は日本のブライダル業界を牽引し、革新的なアイデアで新風を巻き起こし続けた仕掛け人である今野秀尊氏の一代記を映画化したものとなっています。
今野氏が立ち上げた会社ブライダルプロデュースは昨年創立50周年を迎えたとのことで、その記念碑的な作品とも言えます。今野氏は元々ミュージシャンで、その際に映画業界とも関わりを持っていたとのことでして、2015年にも吉岡里帆主演の『ハッピーウエディング』に携わるなど映画製作に積極的なんですね。

そんな今野氏をモデルにした主人公今田秀を演じるのはお久しぶりの小出恵介。共演者には『峠 最後のサムライ』の渡辺大、『ベイビーわるきゅーれ』ラバーガールの大水洋介、『朝が来る』浅田美代子など。
監督は短編映画『おべんとう』が数々の映画祭で高評価を受けた板橋基之。また、音楽には今野氏の盟友でゴダイゴのミッキー吉野が担当しています。

それこそブライダル会社の総本山がプロデュース&ウエディング会場を全面提供だけあって、結婚式描写は豪華絢爛。物語は昭和55年、平成5年、令和2年の3つの世代に跨って展開しますが、もちろんそれぞれの時代に合わせた結婚式が再現される見栄えは良いです。
ミッキー吉野の音楽もそれぞれの時代性に合わせて流されて、正に何回もハレの日を魅せられるような心地好さってのは感じられます。

ただ、正直作品としては、ちょっと…いやかな~り怪しい部分が多くてですね、低予算の短尺映画(74分)ってこと差し引いたとしても映画として厳しく評価してしまう部分は多いです……
何というかやっぱり70分そこらで昭和・平成・令和を駆け巡るってのは無茶だったし、主題も世代を隔てて客が利用する「結婚式」なのか、移ろい変わりゆく「仲間」なのかブレブレで全体像が全くわからなかったです。
ある意味一番スゲェーなって思ったの、昭和から平成を駆け抜けた結果、凄い勢いで身持ち崩す登場人物がいることですね。マジで急に没落したのでビックリしたし、特にフォローもなかったので気持ちがだいぶ置いてけぼりです。

今野氏率いるブライダルプロデュースの身内映画って感じでして、まあそれ自体は別に良いんですが、仮にもTOHOシネマズ日比谷という割と大きいシネコンで流す上でこの出来ってのは、流石に厳しいんじゃないかなァってのはどうしても思ってしまいますね……


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昭和・平成・令和を繋ぐ式典『Bridal, my Song』感想
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