fujisan

ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマンのfujisanのレビュー・感想・評価

3.3
配信開始を待ち望んでいた作品でしたが、正直なところ、少し残念な作品でした。

朝鮮戦争時代(1950年)に黒人パイロットとして活躍したジェシー・ブラウンと、ウイングマンとしてペアを組んでいたトム・ハドナーの友情の物語。

史実に基づいた作品だからしょうがないかもしれませんが、良い題材を扱っているにも関わらず淡々とストーリーが展開してテンポが悪く、139分という長さが気になってしまいました。

黒人差別の事実と、戦友としての絆。どちらを取り上げるのかがあいまいだったかと思います。

ウィキペディアなど読みましたが、ジェシーは黒人差別真っ只中の時代に相当に苦労して空軍少尉になっているようですが、映画ではほとんど触れられず。

空母の中で多少の嫌がらせは受けますが、パイロットチームの仲間は皆ジェシーに対して優しく、苛烈な差別については過去の話として語られます。

一方で、ウイングマン、ハドナーとの友情関係もメリハリが無かった印象。おそらく正確に描いているのだと思いますが、内気で一定の距離を置きたがるジェシーと完全に打ち解けたのかが映画では分かりにくかった。

全体として、史実を淡々とトレースしている印象で、長かったです。

個人的には、途中フランスのカンヌに寄港したときのエピソードはばっさりカットか、もっと短くて良かったのではないかと。エリザベス・テイラー?との交流は華やかでしたが、映画の主題的には関係なく、蛇足だった印象です。

、、ということで、楽しみにしていた分、残念に感じた部分も多かったのですが、米軍機 F4U-4コルセアの空母への着艦シーンや空戦シーンは迫力があり、おそらく相当に製作費が掛かっているはず。

これが定額配信の中で観れるのですから、贅沢な時代になったもんですね。

メカ好きのわたしとしては、翼を折りたたんだコルセアが空母の上で並んでいるシーン(これはおそらく実機?)だけでも胸熱でした!
fujisan

fujisan