はい!!(溌溂)
事故物件で撮影される恋愛リアリティショー。そこに、カルト信者が紛れ込む。
前作の真・事故物件から一年を待たずに公開された本作。制作費倍量とも謳っているように、死に招かれる人間も確かに増量。期待の血肉も大増量。ただし、音声だけは大減量。
観ていてとにかくネックだったのは、セリフが聞き取れない点。内容なんてどうでもいいんだよ、と画面越しから無言の圧を受けているかと思うほどに、会話内容が理解できず。加えて、一時間弱の短い収録時間の約三分の一が、人物紹介や前振りに使われており、聞き取りづらさと相俟ってストレスに変わっていくのが難点でした。
しかし、中盤に入るとラストまで怒涛の勢い。バイオレンスライドの謳い文句に間違いなしな、とても楽しい疾走感。
前作と似た展開にしないためか、心霊系の恐怖から、待ったなしの大殺戮に振り切った本作は、人物紹介がなんだったんだと思えるほどに、次々死んでいく。早過ぎるあまり、このままだと人手不足ですよと逆にハラハラしてしまうほど。
ああ、本当に制作費増えたんだなと思えるような贅沢ぶり。反して、ライド感は最高なものの、(多分)誰もが期待していたであろうゴア描写を考えると、もう少し死に様に対して丁寧な使い方をしてほしかったかなと思ってしまう点もあり。
前作が陰湿さとマッチして、一人一人の死に方もエグみが強かった分、全体を通して十分なグロさがあったものの、本作はとにかく死体が増えたらいいといった感じの内容。ただ、そうであるなら、初めからその勢いでいってもらえると、ありがたかったかなと。
自分として嬉しかったのは、安藤の存在。作中では気に食わない認定されているものの、前作よりもキャラ変してしまっているものの、憎めず、目で追ってしまう人物だなと。ただ、遭遇だけはしたくない。
それにしても、この世界の人間は皆、体が豆腐でできているのだろうか。