吉田ジャスティスカツヲ

少女は卒業しないの吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
4.9
廃校➡︎取り壊しが決まった田舎の高校。
その最後の卒業式前日と当日の、2日間にて…

①式典で答辞を読むことになった女子、年中夏服である元気な彼氏にお弁当を作ることが日課。
②いろんな意味で進路が違うことで、長いこと冷戦状態になっているカップル。
③図書室や司書の先生とお話しすることが、自分の居場所だった陰キャ。
④軽音部部長、卒業コンサートの段取りや打ち合わせが難航しているのが最近の悩み。

という①〜④ep.を並行して描いてゆきます🤔


ごくごく普通の高校生たちによる、平凡だけど特別な青春の1ページがなんとも愛おしい。
…が、しかしそこは原作:朝井リョウ【全編に漂うキナ臭さと不穏な空気】が、そこはかとなく襲ってくるのです😨

河合優実を筆頭に、揃った若手キャストは【演技と自然な反応の狭間を行き来しているよう】ですよね。
それは中川監督が巧く引き出した部分もあるのでしょうが、いい表情を見せてくれます。
監督と演者のおかげで誰もが確かに過ごしてきた青春時代という瑞々しい世界の終わりを思い出させてくれました😌


卒業したくないけれど卒業しなくてはならない。
なぜなら【ココが自分を形作る社会の全て】だったし、他の人と違っていつか帰ってくることもできない。
喜びも悲しみもひっくるめた3年間の思い出を胸に、新たな世界へ旅立とうとする彼女たちの物語です…


惜しくもスコアマイナス0.1なのは【仕掛けられたあるギミック】により、2回目の鑑賞は1回目ほど楽しくないかもしれないからです😏