２０２２年カタール・FIFAワールドカップのドキュメンタリー。
出稼ぎに来ている労働者は全員有色人種で、自分たちが企業・金持ち・白人たちに利用され、人権侵害を受け、奴隷扱いされていることをよく理解しているが、「ワーカーズ・ワールドカップ」で見染められてクラブチームに所属するサッカー選手になったり、高層ビルひしめく都会で働くことを夢見たり、お金のためにそうせざるを得ない。デートのために休みを取ることもできないし、犯罪でも犯さない限り辞職もできない。実際、故郷に強制送還してもらうために仲間に暴力をふるう人も出てくる（仲間も理解して同情をしているのがつらい）。労働者のキャンプはきらびやかな市街から遠く離れ、車でないと移動もままならない。国連やアムネスティも現場に来ているが、実態がこれでは……。
「ブラック企業」にありがちなように、ひどい抑圧のなか労働者たちは国境を越えてけっこう仲が良く、団結してます（つらい）。安く長時間労働で使い捨てられる外国人がどこの国にもいる現実が苦しい。
世界的スポーツイベントについて、私たちはもっとよく知って考えなければいけないと思います。反対アクションは今でも遅くない。
