ルッキオ

彼岸花 ニューデジタルリマスターのルッキオのレビュー・感想・評価

4.0
小津安二郎カラー一作目。
鉄道シーンで始まり鉄道シーンで終わる(小津さん電車好きだなあ)
そして他作品と同じセット同じ構図。
作風は前二作と変わって波風立たない系の作風に。
若者向けは諦めて自分の撮りたいものを撮るという顕われでしょうか?

↓カラーになって変わった事。
小津作品共通テーマとも言える娘の結婚、父娘関係。
原節子さん(和服)から有馬稲子さん(洋服)に変わることで結婚観も変化。
父親役は笠智衆(温厚)から佐分利信(強権)に変わってる。
アンチ「東京物語」を自らやってる気がした。

娘を嫁がせる=片付けるという価値観。
娘を家から出さないという時代錯誤感。
あえて古臭い父親を描くことで時代の変化を描いてるのかもだけど、「東京物語」から五年しか経ってないんですよねえ。
それだけ時代の変化が大きかったんでしょうね。

原節子さんが出ていなくても娘の役名に節子。
どんだけ原節子が好きなんだよぉ、小津さん。
ルッキオ

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