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大名倒産のKUBOのレビュー・感想・評価

大名倒産(2023年製作の映画)
4.0
これは爆笑コメディでありながら、ただのコメディじゃない! 時の権力者の方々にこそ、見ていただきたい。全国民、スッキリ胸の晴れるような痛快時代劇だ!

今日の試写会は、神木隆之介主演『大名倒産』。

ある日突然、貧乏侍の息子が殿の御烙印であったことがわかり、いきなり小藩の殿様になっちゃう、というシンデレラ物語かと思いきや、

藩の財政は破綻しており、借金100億円返せなければ切腹という大ピンチに!

このめちゃくちゃな設定の中で、神木隆之介の殿様が大奮闘。

時代考証とか全然リアルじゃないけど、ほぼ現代語の軽妙な台詞のやりとりがおもしろい!

キャスティング豪華でみんなおもしろいんだけど、私が特に注目したのが梶原善の怪演! もうキモいし、ウザいし、暑苦しいんだけど、ちょっと最高よ(笑)。

私は本作を、神木隆之介の主演映画というよりも、前田哲監督が時代劇コメディを撮るというところに注目して見た。だって最近の前田哲は『こんなバナナ』『老後の資金』『そしてバトン』『ロストケア』『水は海に向かって流れる』と、出す映画、出す映画、次々と大ヒットでみんな傑作。その前田哲が時代劇でコメディと言うから、どんな風に仕上げてくるかと思ったら、コメディの皮を被った大風刺映画! 素晴らしい脚本だ。

まずは気軽なコメディだと思って見て大笑いしてください。見てるうちに「ああ、丹生山藩って今の日本のことじゃん!」って気付いたら、痛快なラストに拍手喝采送りたくなりますよ。

前田哲監督、また傑作作っちゃいましたね。大好きです❤️(笑)。



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