MasaichiYaguchi

大名倒産のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

大名倒産(2023年製作の映画)
3.7
浅田次郎さんの同名時代小説を、神木隆之介さん主演で前田哲監督が映画化した本作は、物価高や公共料金の値上げ、増税等でお金に汲々とするこの頃、改めて節約と助け合いの大切さを笑いを交えて温かく描く。
江戸時代、越後・丹生山藩の役人の息子として平穏に暮らしていた間垣小四郎は、或る日突然、自分が徳川家康の血を引く丹生山藩主の跡継ぎだと知らされる。
しかも前藩主で実の父である一狐斎は、小四郎を藩主にして隠居してしまう。
庶民から藩主へと大出世したかに思えたのもつかの間、丹生山藩が25万両もの借金を抱えていることが判明する。
頭を抱える小四郎に、一狐斎は借金の返済日に藩の倒産を宣言して踏み倒すという案を提示したが、実は一狐斎は小四郎に全ての責任を押しつけて切腹させようと企んでいた。
本作は時代劇ですが、現代に通じるような汚職や政治的忖度、そして民を率いる者はどうあるべきかを描いている。
だからこそ、信念を持って真っ直ぐに生きようとする登場人物たちが清々しく感じられます。
果たして小四郎たちは、どのような結末を迎えるのか?