Niylah

パルフュメア 禁断の調香のNiylahのレビュー・感想・評価

パルフュメア 禁断の調香(2022年製作の映画)
3.0
NETFLIXオリジナル映画にしては意外に興味深かった。私が香水とか香り物が好きだからかもしれない。それ以上でもそれ以下でもない。『パフュームある人殺しの物語』に着想を得た物語なの?鑑賞するまで知らなかった。『パフューム…』も結構奇抜な作品。香水とか調香師とかを主題にした映画ってあんまりないのなんでだろう。

車の中の果物の匂い、"ドリアン"という名前から想起するバンコクの路上の匂い、"愛の香水"の匂い、赤ちゃんの匂い、粉ミルクの匂い、料理の湯気の匂い、腐った魚の匂い、踏み潰された草と土の匂い、人間の狂気の匂い、火が燃える匂い、求めあってる相手の汗ばんで蒸気した肌の匂い、錆び付いた金属のアクセサリーの匂い、煙草の匂い、黒色の絵の具/ペンキの匂い、車のガソリンの匂い。次から次と絶え間なく色んな匂いが呼び起こされる。忙しいくらいに。

例の"愛の香水"の香りは私的にはジャン・パトゥの『1000/ミル』の香り。濃厚すぎて万人受けはしないし使う人を選ぶ。日常使いも難しい。寝る前につけるぐるいがちょうどいい。だけど香水の中の香水。大好き。今夜はmilleをつけて寝る。自分のためだけに。

「欲情するだけだ、愛は生まれない」

「愛を知らずに愛を生み出せる?」

「全ての憎しみが愛に変わるまで」
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