片腕マシンボーイ

泥の子と狭い家の物語の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

泥の子と狭い家の物語(2022年製作の映画)
3.5
観たい映画と観たい映画の合間に、香ばしさを感じるポスターのビジュアルに誘われて観てみると……

無職の父、要介護な祖母、そして空気の様な存在の母と狭い家で暮らす高校生の小豆、小豆は家の中の空気にいつも息苦しさを感じていた、そんなある日加賀美という女が祖母の介護の為に家にやってくる、加賀美が家に出入りする様になってから母の様子がおかしくなり、徐々にそれは家族全体に侵食していくんやが……って話

これもなかなかにカオスな作品でキャッキャしましたねぇ、まぁ脚本や演出の甘さは随所に感じるものの、雰囲気と勢いで強引に引っ張っていく感じは嫌いではございません
あとはもう母親役の田中美里の存在感のみで余裕でゾワゾワ観ていられる素晴らしさ!こんな凄い女優やったんやなぁ

そうね、メインのストーリーは面白いし、キャスト陣も田中美里以外は知らん人ばかりながらけっこう個性が迸っていて素晴らしかったんやが!まぁ細部にいろいろと気になるポイントがありまして……
特に気になったのが……そうね、ニャンコロ問題よね!いやね、本作ってばニャン屋敷に住む占いババアみたいなんとか出てくるんやが、ニャンが1匹か2匹を除いて安いCGなんよねぇ!しかも半透明のニャン!マシンボーイはあれ?このニャンがCGな事になんか意味があるんか?この世のものとは違う生物なんか?思いながら観ていたんやが、特にこれといった説明もなかった(と思う)し、必ずしもCGニャンが要るとも思えんかったし、ほんと謎!
あとね、ヒロインの幼馴染の少年の安っぽいタトゥーもいかんともし難い……、これはメジャー系映画とか、なんならハリウッド映画でもたまに見かけるんやが、下手なボディペイントやからばピカピカしちゃって全く肌に馴染んで見えないヤツね!この前みた「陽炎」の樋口可南子の背中の不動明王様とかまぢ迫力凄かったんやが、CGやらで何でもリアルに描けるようになっても、その辺りの技術は全然進んでないんかねぇ?

まぁそういう細部がちょいちょい気になってしまったが、家族に突然入り込んできた異物によって崩壊していくんはまぢどうなってしまうんや!ってアタフタしたし、その乱入者のおばちゃんもまた絶妙にムカつくツラしてんのよ!小豆ちゃん、あなた……下着の色が派手すぎるんちゃいますの?言うて!かぁ!腹立つ!
お父さんの絶妙なポンコツ感も最高やが!あのスーパーのシーンのお父さんの哀愁よ……泣けるぜぇ
ヒロイン小豆ちゃん役の子も可愛らしい子なんやが、あの大阪の下町長屋の哀愁に見事に馴染んでいて良かったし(あと名前の呼ばれ方がアズキちゃんやったりコマメちゃんやったりするん可愛い、ぺろぺろ)
あ……何気に母親田中美里と並ぶMVPはワンシーンだけ出てきたカフェの店員のおっさんかもしらんな!アツアツやな!フライパンがぁ……言うて、最高かよ

ちなみにアイドル映画とか観ると偶に入場者特典としてブロマイド写真が貰える事がありますが……、え?本作でも貰えまして袋を開けてみると中からは主人公を演じた女優さんの写真が、あれ?でもこういうのってだいたい何パターンかあって誰が出るのか楽しみやなぁ!ってヤツよね?ってことはマシンボーイはたまたま主人公がでたけども、もしかしたら田中美里とか、ポンコツお父さんとか、キチガイババアとかもあるんかな?
くぅ……マシンボーイはカフェ店員おっさんのブロマイド欲しいから誰か持っていたらマシンボーイのヒロインのんと交換してくれ!ぺろぺろぺろぺろ