Yuri

福田村事件のYuriのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
3.2
「無知は罪なり」。炎上するかも知れませんが、ここ数年、この言葉が幾度となく浮かびます。噂の真意を確かめるどころか、自分たちでまた新たな根拠のない吹っ掛けをし、混沌を招く。日本は当時も今もこの混沌を隠れ蓑にするのが上手く、それに踊らされている人々は「知ろうとしない」のでずっと害悪をまき散らし、人々を傷つけ続ける。そこに本作では村の隠ぺい主義が加わり、すべての村民が永遠にこの事件に対し、口をつぐむのであろう。軍人って誇りないんだっけ?彼らの持つ誇りって何を意味してるの?あー無知ゆえに従ってるだけのに従えてる気になっちゃってるパターンか。無知な人々はそのことを突っ込まれる前に泣いたり怒ったりして先制攻撃をしてくるので、真実を知っている人たちも彼らの凶暴性を知っているから発言の時と場所を考えざるを得ないし、自分の身を守るのに精一杯だ。こうして負のループが完成する。混沌に黒幕はいないから、そうそうコインがひっくり返ることはない。子どもたちは自分の目で見てもいないことをさも真実のように話し、ヒートアップしている大人たちを見て、違和感を覚えないのだろうか?そういう親に育てられてるから、力業で親の言ってることは正しいってねじ伏せられてる?「待て」が出来ないって犬以下じゃん(爆)幾つかの不幸が重なり合った結果の事件とも言えますが、ボタンの掛け違えでも何でもなくて、何も知らないのに知った気になって、あまつさえ知ってるから、自分が正しいのだから、手を下して良いと思ってしまった「無知は罪」な人々が起こしたこと、それだけだと思う。どんな状況でも釈明出来ない、同情の余地のない最悪の殺人事件。村って悪は隠ぺいされ、さらに悪が図に乗るって構図が完成されてますよね。私も「東京もんはバカだ」っていきなり言われたことがあります。まじで根拠がないし、言ってイニシアティブを取りたかったのか?「恥の概念」が違うんだろうな。多分、私は正義感が強い方だし、情報は必ず裏取りを何度かしないと信じないし発信もしないので、この事件に相当怒っているのだと思う。・・・関係ないけど、師走ラストの映画に永山瑛太さんの重たい映画が当たることが多い気がする・・・(^^;)マイナスは、方言が全編聞き取りにくくて、最大音量まで上げて観るのが大変でした。まさかと思うことを人はするという意味で知っておくべき作品です。
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