バムセ

正欲のバムセのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

原作未読の話題作。予告編のみの予備知識で鑑賞してきました。

少しずつですが、マイノリティという枠組みを作って、理解が進みつつある社会の中で悪意を持って「社会のバグ」と呼ばれ、自らも「宇宙人」と呼び、死んだ眼で社会から浮いている方々のお話。

厳格な父の無理解に苦しむ不登校児。
その子に寄り添うあまり、無理解な旦那に失望する母親。
社会的には正しい行動を行なっているが、正論を振り回し、マイノリティの存在を見ようとしない検察官。
男性恐怖症から抜け出そうと奮闘する女子大生。
小児性愛者。
隠れた性癖に悩むイケメンダンサー。
同じく隠れた性癖故に生きる希望を失ったサラリーマン。
隠れた性癖を持ち、地方都市の同調圧力にウンザリしているアラサー女性。

それらの方々の内面の葛藤。しんどいです。共感は出来ませんが、少しですが、自分の想像を超える世界への理解が深まった様に感じます。

演じた役者さん達の表情の演技が良かったです。また、水を使った撮影の美しさも素晴らしかったです。

居場所がなく、自ら生命を断とうとしたヒロインが、ようやく見つけた居心地の良い環境。それを守ろうと決意し、毅然とした生命力溢れる表情のラストシーン。痺れました。
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