小雨

アアルトの小雨のレビュー・感想・評価

アアルト(2020年製作の映画)
3.8
アルヴァ・アアルトのすべての建築物は、そのたたずまいに、静謐さをはらんだうつくしさを感じる。
完成された建築物がすぐそば近くある人生や生活は、なんだか満たされていそうでうらやましく思う。そこにいるだけで静寂を思い出せるような。拭いがたい空虚と絶望感をそっとふさいでくれそうな。
周囲の景観との調和もあいまって、パイミオのサナトリウムとMITの学生寮は、わたしには特にすてきに見える。

建築家の半生であるとか、愛だとか支えだとか、そういうものにはさほど興味がないのでそっかそっかとうなずきながら、わたしにとってはただただ端正な建築と家具を堪能する作品。あの極線にそっと手を添えたい。
公開期間をあまりとれないのはわかるんだけど、もうすこし。でも二週間上映してくれるだけよいのだろうか。
映画のよしあしに関係なく眠たくなるのを改善したい。
小雨

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