スワヒリ亭こゆう

銀河鉄道の父のスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)
3.4
直木賞受賞の小説を映画化した作品です。
原作も読んでないんですが、宮沢賢治の作品をちゃんと読んだ事はそう言えば無かったなぁと映画を観ていて思いました。それでも宮沢賢治というネームバリューは絶大ですよね。
『銀河鉄道の父』というタイトルも良いですしね。

宮沢賢治の父親・宮沢政次郎を役所広司さん、宮沢賢治を菅田将暉さんが演じています。
監督は成島出監督。今年公開の『ファミリア』に続いて役所広司さんとタッグを組んでます。

映画は伝記映画ですが、国民的作家の父親が主人公というのが面白いですよね。
宮沢賢治を単純に作品化すると賛否両論ありますが、その父親を作品にしたのであれば否定的な意見も出にくいですよね。
妹も重要な登場人物で、妹と宮沢賢治のエピソードも良かったです。
恐らく脚色もしてるんだろうけど、宮沢賢治という作家を誕生させるエピソードとして単純に良い話でした。本当はこうだとか色々、言うのも野暮ったく感じましたね。前述の通り、これは宮沢賢治の父親の話ですからね。
面白くする分には脚色も寛容になりますね。

宮沢賢治という作家に物凄く興味が湧き、作品を読んでみたくなっている。
僕は『星めぐりの歌』を宮沢賢治が作詞作曲してるのにも驚きました。
田中裕子さんが映画で『あなたへ』って映画で歌ってたのが凄く良くて、それ以来好きな歌なんですよね。

息子の為に一生懸命な父親。時には喧嘩もするけれど、昔の父子の風景が心地良く観れる映画でした。
どんなに偉い人でもどんなに悪い悪人でも誰かの子供。
当たり前だけどその当たり前を面白く見せる技術が素晴らしいですね。
余談ですが、僕が物心ついて1番初めに好きになった俳優さんが役所広司さん。それからずっとファンでして。
今回、宮沢賢治を演じた菅田将暉さんがとても羨ましく思いました。素敵な親子の、いや家族の話でした。