ジョー

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版のジョーのレビュー・感想・評価

3.5
監督 エドワード・ヤン
撮影 アーサー・ウォン 、リー・ロンユー 、ホン・ウーショウ


ミニシアターで満席が続き、再上映が繰り返されるほど人気っぷりのエドワード・ヤン。今回は初鑑賞で理解に苦しみ、体感で傑作だということはわかるのだけれども、言語化することができない。「映像がきれい」だけで終わっていいはずの映画ではない。

https://www.chorioka.com/entry/2023/09/02/110927
↑この記事で整理がついた

1950-60年 中国からの外省人、台中南部から就業の機会を得ようと人口が急増
70-80年 建築と鉄道(ショウウン)が整備して高度経済成長
90年以降 交通設備が完成し、都市計画が進んだ

90年代の台北は時代の変化が激しくて、目まぐるしい時期だった。街はどんどん都市化して、個人の実力が優先され利益を第一に考える。変動の時代に人々がどうにかして喰らいついて生きる様を、2時間でここまで多くの人を映し出すことに成功したからすごい作品である。そしてこれが「時代を先取りした」という文句も、変動の時代に関係する。今もとんでもないスピードは技術は発展し、個人の能力で階級が決まり、他国との隔たりを無くそうと動き出している。そこでの生きづらさが、90年代の台北と似ていて、各職業をひとつに描き切れたことにあっぱれ。
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