吉田ジャスティスカツヲ

高速道路家族の吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

高速道路家族(2022年製作の映画)
3.9
"ハイウェイのサービスエリア”と聞くと…
地元の名産品が食べられたりお土産ものが一堂に会する便利な場所、そして間一髪間に合って用を足せたこと。
…をイメージする人が多いでしょうが、このギウ一家は【間一髪さのレベル】が違う😨

サービスエリアにテントを張り🏕️日によっては個室便所🧻に座り込んで眠る。
上は9歳、下は5歳な子供たちは一度も学校に行っておらず、読み書きや算数はほぼ出来ません。
そして妻:ジスクは三人目を身籠っています。
発進寸前の乗用車に「財布と携帯を失った。後で銀行に振り込むからガソリン代を貸して欲しい」
…と【寸尺詐欺で】その日の食料にありつき、目立ち始めたらば次のサービスエリアへ【徒歩で】移動するのを繰り返すという、浦安鉄筋家族ヨロシクな暮らし。

本作は家長:ギウに対して何を感じるか?
が論点や賛否の分かれ道かと思います🧐
私自身が日々思うことですが【社会で生活する以上「大なり小なりの我慢」が必要】なのです。
どんな生き方をしていても、シンドイことは必ずあります。
その場に居たくなくなって離れていくのは自由ですが、すぐに逃げてばかりいると自分の間口は狭まっていくものですし、これはどこの世界でも同じ。
ハッキリ申し上げて、僅かにも我慢が足りてないギウは家族を守ることができてない。
ギウの置かれた状況だと【これまでに一番先に捨てたほうが良かったことを、最後まで手放さない気😒】なのでしょう。

それらミジメで痛々しいのですが、主演のチョンイルの迫真の演技によって立派なエンターテインメントになっていました🤯
生半可ではない、なんならチョンイル自身が撮影にあたって多額の負債を抱えて家も失ったのでは?と心配になるほどの情緒不安定さよ。
観た人にとって捉え方が分かれるであろう、エンディングは強烈な後味を与えてきます…


大きな減点要素としては【場面によってのフィクションラインが大きく変動すること】ですな😰

暗く重たい雰囲気を出したい反面で…
命からがら逃げているようには見えない。
マジメに追跡しているようにも見えない。
そして警察署にとっては重大な事案が発生するも、それを捜査しているようにも見えない。
いま、観客をどんな気持ちにさせたいのか?に対して効果的な表現をしているようには出来ていない所でしょうか。