劇場で鑑賞
自然と共生しているイーグル族の青年猿の目を通して人間という種を客観視しつつ、エイプと人間の共存というテーマに誠実に向き合った傑作。
話運びのテンポの良さと、猿主観だからこそのドラマとその見せ方がとにかく上手い。
正直観る前は舐めてたけどめっちゃ面白かった!
映画冒頭からアクションに絡めた世界観説明や伏線の張り方が自然でめちゃくちゃ手際が良いのと、そこからの村が襲撃されるシーンでは夜に炎、プロキシマスの砦が崩壊するシーンは昼に水と前半と後半で展開が対になっているのも面白い。
ノアとメイがお互いの場所で空を見上げるラストカットが凄く象徴的。
同じ空だが見ている先が違っていたりと、エイプと人間の共存の難しさを象徴しながら、序盤で共に望遠鏡を覗くシーンとも呼応していたりとドラマが上手い。
そこで表情にフォーカスしてる点など。
天体望遠鏡を覗くシーンが本当に感動的で、今まで閉じた世界にいたノアが宇宙を見ることで視野が広がる展開でありつつ、同じく覗いたメイの目の輝きを通して猿と人間が本質的に変わらないことを、台詞ではなく目に映った光で表現していてめちゃくちゃ上手いって思った。
最近の大作フランチャイズ映画によくある惰性で作った感満載の続編群なんかよりよっぽど真面目にドラマを描こうとしているので大好き。
随所に映画的な演出も多くてしっかりシネマしてた。