10円様

自由への道の10円様のレビュー・感想・評価

自由への道(2022年製作の映画)
3.6
🐯明けましておめでとうございます🐰

 2023年が始まりました😊昨年はたくさんの人にたくさんの知らない映画を教えてもらって、どんどん映画の幅が広がり本当に感謝しています。今年も隠れた名作や迷作、誰も知らないようなクラシカル。ご教授下さいませ⭐️

 私の2023年の最初の作品。と言うか恒例の年越し映画はこれ。ウィルスミスがビンタ事件以降、最初に出演した作品ですね。Apple TV配信映画なので観る機会のある人は少なそうなのが残念です💦
 いや私も解約しようと思ってたんですよ。映画はあんま配信されないし、月額600円が900円に値上がりして元は取れそうもないし…でもたまに配信するオリジナル映画は高クオリティなんで解約を躊躇っています。まあ、あと1年は様子を見てもよいかな。
(そういや去年の年越し映画もApple TVだったな…)

 1863年の今日。今から丁度160年前のこの日に奴隷解放宣言がリンカーンより発せられました。それに因んでの本作品…というわけではないです💦これは本当に偶然。この映画観るまで日にちまでは知りませんでした。今年は良い事ありそうな気がするぞ!

 映画は思っていたものとはちょっと違いましたね。アントアンフークアー監督なので戦争シーンに力を入れていると思ったんですが、これは1人の奴隷の逃亡、それを追いかける白人に焦点を置いています。ちょっとサスペンスっぽいんですよね。
 鑑賞の過程で「それでも夜はあける」を思い出すんですが、奴隷と白人の描き方で言えばそちらの方がドラマとして優秀だと感じました。
 反面こちらはリアルを追求したのではないかと思われます。けっこう描写が痛々しいんですよね。野戦病院で兵隊の足が転がっていたり、豚の内臓をとって干していたり、匂いを消すために動物の糞を体に塗ったり、そこに無数の蠅がたかっていたりね…
 あと人間の描き方も残酷で、それは白人の描き方だけでなく奴隷たちだって逃避のためなら仲間を見捨てたり、人を殺したりします。
 作品の大半は沼地での逃亡と追跡。ただ白人の描写がそこまで丁寧ではなかったからか彼らが脅威として伝わってこず、ウィルスミスの存在感が優ってこけおどしに見えてしまうんですよ。スターオーラって凄いですね〜
 ウィルスミスはこれまでにない貧相な格好でやつれた役なんですが、びっくりするほど目が死んでいません。この作品の主役に合ってはいました。が、やはりフークアー監督の土俵とは思えませんでした。

 ラスト30分。やっとフークアー監督の本領発揮です!いざ見せ場!戦争のシーンです!と思いきや描き切るには尺が短すぎました…パッと始まってサラッと終わり…ここからなのに…
 ここら辺の出来事はエドワードズウィック監督の「グローリー」って映画が最高なので、そちらをどうぞ。

 何だか人間ドラマにしたいのかサスペンスにしたいのか戦争ものにしたいのか、それらを包括した映画にしたつもりだったのか、よくわからな買ったんですが、退屈はしなかったかなと思います。その要因はウィルスミスとベンフォスターの2人に寄るところが大きかったと思います。

 本作、ウィルスミスのビンタ事件によって配信を2023年に繰り上げしようかと思ってたらしいですが、賞レースもあり通常の予定で配信したそうです。監督もAppleもよほど自信が合ったらそうですが、結果、賞レースには全く擦りもせず…去年はAppleやウィルスミスが栄光をものにできたから良いと思うんですが、ベンフォスターにもスポットライト当ててくれ!と強く望みます。X-MENの頃から注目してて、ティーンアイドルみたいになると思ってたらけっこう骨太で硬派な役が多いんですよね!私の中で過小評価されてる俳優の1人です。
10円様

10円様