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⻘いカフタンの仕立て屋のchipのレビュー・感想・評価

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)
4.5
カフタンが何か知らなかった…
モロッコの正装、民族衣装のようなものなんですね、
うつむいたハリムの手が動き、金糸を使った美しい刺繍で仕上げられるカフタン、
彼は正に職人!
彼の仕事ぶりを見つめ気丈に店を切り盛りするミナ、
二人三脚で店を守っている様子です。
そこに雇われた若いユーセフ、
仕事場でうつむき仕事に精を出す二人の職人…
静かな時間の中で、美しい刺繍を作り出す。。
その世界に浸りました。
モロッコは行ってみたい国の一つ…
タジン料理やルフィサなど、
映画に出てきた料理も美味しそうでした。


うちに秘めたそれぞれの想い…
少しだけ触れる指先に狂おしさを感じました。
三人とも優しい。。
至る所で祈りを捧げる町、
古いしきたりに生きる人々、
ミナは息苦しさを感じていたと思う。
客は男ばかりの食堂ではしゃぐ彼女を見るハリムの笑顔が優しい。。
「愛することを恐れないで」
夫の背中を押したミナも優しい。
そして何も言わずに二人を手伝うユーセフも優しい。。
その優しさに泣きそうになりました。


仕上がった美しい青のカフタンは、
彼女に良く似合っていました。




先日、トーク番組に出た柴咲コウさんが言っていました。
地球が大好きだから大切にしたいと…
早さばかりを追いかける今、
どうしてこんなに急ぐんだろうと。。
このモロッコの旧市街の様子、
手作業の刺繍、
時間の流れがゆったりと感じるこの映画を見ていて、
柴咲コウさんの言葉の意味がわかる気がしました。
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