ろく

17歳は止まらないのろくのレビュー・感想・評価

17歳は止まらない(2023年製作の映画)
3.6
音楽もだっさださ、ストーリーもべったべたなのになぜか見れてしまう不思議な映画。観ているときは「これは令和の映画でなく昭和のドラマだろ」って突っ込んでしまったけど、考えたらもう僕は令和的な「なんでも深く考えさせる」(ふりをする)映画にうんざりしていたのかもしれないと思っていた。ここにあるのは昭和ドラマ的な快楽なんだよ。

ここでも中島歩が!ってくらいまた中島歩が出ている。しかも相変わらず役得である。中島というと昨今の低予算映画の王様であるが(城定映画にも実によく出ている)崩れたキムタクは健在である。主役の女子よ(池田朱那)よ、この男のどこがいいんだよ。

畜産高校が舞台なんで、畜産の楽しさも見せてくれる。そこらへんは漫画「銀の匙」でもそうだけど楽しいんだよねえ。出産シーンや屠殺のシーンなどもしっかり撮ってくれているのは嬉しい。確かに鶏が絞められるのにはちょっとおおって感じにもなったけど、池田が言うとおり「あなたお肉は食べないの?」って言いたい。その点でも僕は好感触。

そして主役の子の「暴走っぷり」も楽しいじゃないか。今の映画だとやたら悩むだけで行動が遅いのだけど、この映画では体当たり体当たりで見ている僕も応援してしまう。そこらへんを池田は確りと演じており、ストレートに応援できる映画になっている。

と結構褒めたけど、あくまで昭和映画的な楽しみなのは理解してほしい。一歩間違ったら、劇伴など苦笑でしかないのだから(あの音楽はなんなんだ)あくまで「昭和的」な楽しさね。こんな映画体験もあってよいのかもしれない。

と言うことで
・昭和のどうでもいいドラマが好きな人
・女子高生が好きな人
・中島歩のポンコツな演技が好きな人

におすすめです。あ、悪口じゃないからね。

しかし僕は長いこと教員やっているけど生徒に告白されたことなんて一度もないんだけど。されてみたいと思う気持ち半分、でも面倒だから勘弁してほしいと思う気持ち半分(いやこれが9割)。告白されなくて良かった~。ま、負け惜しみじゃないからねっ!
ろく

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