リプリー

クリード 過去の逆襲のリプリーのレビュー・感想・評価

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)
3.6
映画の感想でこんなことを言うのはどうかと思うが「普通」だった。
何も貶しているわけではなく、ストーリーもこのシリーズのツボを押さえた王道のものに感じるし、初監督作となるマイケルBジョーダンの演出も光るものがあったと思う。
例えば、冒頭の試合シーンで劣勢に見せかけて相手の弱点を見極めているという演出は、このシリーズにないフレッシュなものだったし、スモークや逆光などを使った画づくりも僕好みだった。

ただ、本作の要である主人公の過去とそれに絡んだ対戦相手の構図にちょっとノレなかった。
そもそもこれは試合で勝ったから過去を振り切ったことになるんだろうか。敵役はそもそも何をどうしたかったのか。というか、コトの発端を知ったタイミングで謝れば済む話じゃなかったのか。何にせよ謝る訳だし。
対戦相手といえば、彼の格闘スタイルが喧嘩なのに対し、ボクシングは喧嘩じゃないというだけで、物語的な解答を出していないのも不満点。せっかく、娘の教育問題にまで言及してるのにほったらかし。というか、最後は相手ももっと喧嘩越しの態度にしても良かったんじゃないかと思う。その方がスタイルの違い故に勝ったというロジック、対立構造がはっきりする訳だし。まあ、このシリーズにあんまりロジックを求めるものではないかもしれないが…。

アメリカでは予想外のヒットを飛ばした本作だが、平日の昼間、地元のシネコンということもあるにせよ、観客は僕含めて二人だけとかなり悲しい状態。
2のときはもっと人がいたような…。
ボクシングシーンは、総じていいので劇場で見ることをおすすめする。

最後に「短編映画(アニメ)付きの上映回」を観に行ったのだが、これは短編というよりかは予告編?ストーリーもよく分からないし、設定もなんだか子どもっぽいな、と。わざわざエンドクレジット終わるのを待ってまで見るべき映像ではない気がした。