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クリード 過去の逆襲のヒカルのレビュー・感想・評価

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)
3.5
ボクシングよりもRIZIN、BREAKING DOWNの方が人気の日本では過去作の興行収入はクリード1が4億、クリード2が3億と壊滅的でありながら本作を300館規模で公開するという無謀な闘いを応援するために劇場へ(5億は行ってほしいですが、正直言って爆死必至だと思います。ちなみに土曜朝一京都のニ条東宝のIMAXはお客さん15人くらいで聖闘士星矢クラスの大爆死でした。)





結論は応援しなくて良いかもです。

とにかく自分には刺さりませんでした。前半こそ不穏な雰囲気で結構ドキドキしたしたが、ラストの戦いが無感情に眺めてしまってるだけの状態に陥り、ボクシング映画のラストを初めて能面で観戦しておりました。

マイケル・B・ジョーダンの初監督作という事で丁寧に作られてたと思います。何が気にいらなかったのかイマイチ不明ですが、後述いたします。

以下少しネタバレとリアルボクシングについてのどうでも良い独り言ですのでお時間あればどうぞです。









まず良かった点ですが、

1 過去のクリードの引退戦は目線で作戦を示すなどボクシングのテクニカルな駆け引きを上手く撮れてたと思います。

2 家は超豪華でクリードの現状の金持ち説明としては説得力が有りました。娘が難聴の設定を引き継ぎマイケル・B・ジョーダン、テッサ・トンプソン、娘さんらが手話を使いながら仲睦まじい様子を表現してるのも微笑ましく観れました。

3 クリードがプロモートする試合でカネロ・アルバレスが出ていて、いつものリングアナウンサー、いつもの会場が使われてるのは気持ちがあがりました。試合もジョナサン・メジャースの怖さが活かされてました。

4 マイケル・B・ジョーダン、ジョナサン・メジャース共に躰を鍛え上げて説得力も有りました。ジョナサン・メジャースが暴行騒動中というのも設定上むしろ+でした。

駄目なところは唯一でありながら致命的ですが、最後の試合とその前後が自分としては全く盛り上がらなかったことです。理由はよくわかりませんので推測ですが下記の通りです。

1 練習シーンが前回とだいたい同じ
2 スタローンがいない
3 いつものロッキーのテーマのアレンジversionがもひとつだった
4 最後に和解し綺麗に終わろうとしますが、ジョナサン・メジャースのドラゴ息子への暴行は共謀共同正犯なので自首するカットが必要だったかと。
5 ボクシングがマイブームで最近のベスト3は以下の通りで、どの試合もクリード3のラストバトルよりもいい試合だった。


1位 寺地拳四朗vsオラスクアガ ★5
ボクシングを観て初めて泣きました。2人共に素晴らしかったです。那須川天心デビュー戦のメインイベントでアマプラで観れます。

2位 中谷潤人vsAndrew Moloney ★4.5
ブルージャイアントの例のシーンは引き画になって自分はやばいと身構えましたが、劇場では数名から声が出てました。この試合のラストではボクシング観て初めて"あっ"と間抜けな声が出ました。まさに衝撃のラストでした。

3位 Gervonta Davis VS Ryan Garcia ★4.0
 黒人の犯罪者(ひき逃げで裁判中)とラテン系でSNS人気は倍以上のイケメンヒーローとの無敗スーパースター同士のドリームマッチ。Davisは素行不良であるがメイウェザーの弟子なのでボクシングはテクニシャンでクレーバー、Garciaは躰の大きさを活かして好戦。

こちらも衝撃×2の面白い試合。ボディの急所は右側(向かって左側)にしか無く、サウスポーはボクシング界では絶対的アドバンテージで有ることを学ぶ。(クリードの引退戦でも同じところを狙ってましたね。クリードはオーソドックスですが。)力量差は明らかでしたが皆が逃げて実現しなかったドリームマッチが今後避けにくい雰囲気を作った功績は大きいです。(スペンスvsクロフォード戦が7/29(日本では7/30お昼過ぎ頃?)で決定。ファイトマネーは各1000万$最低保証とのことです。)



というわけで3点にしては無駄話が多く長文となりすみません。ちなみに本当は3.5点ですが、帰り道に鳥の糞が頭に落ちたという糞みたいな理由でマイナス0.5点して3点です。


2023/7/25 追記 
4位 井上尚弥vsスティーブン・フルトン★4.0
素晴らしい試合でしたね。井上尚弥のスピードとパワー フルトンのインテリジェンスとディフェンス力 見応えのある試合でしたね 良いもの見せてもらったので鳥の糞分の0.5点足して3.5点にしときます。(レフェリーが☓でしたね。即座にダウンを採れずにダメ押しパンチが入ったのはBADで若干後味悪かったですね。)
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