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劇場版 センキョナンデスのTのレビュー・感想・評価

劇場版 センキョナンデス(2023年製作の映画)
3.8
ここ何年か、政治や選挙のドキュメンタリー映画が何本も公開されて、政治への関心の高まりを感じる。

わけてもこの作品は安倍晋三銃撃という、政治に関心のない人も含めて日本中が知っている大事件を受けて、国民や政治家がどう考えてどう行動したのかが記録されていて、時事性だけでなく記録としても機能するドキュメンタリー映画になっている。

候補者が経営者親族という四国新聞の報道姿勢に直接疑問をぶつけるプチ鹿島の姿は、新聞読み比べをライフワークにしているからこその言葉の強さを感じた。

政治家やそのスタッフの態度も見比べられて面白い。意外だったのは自民党の松川るいだ。スタッフの静止を聞かずに自分の考えを話しきろうとする姿は、考え方の賛否は別にして好感をもったし、その後のウグイス嬢のサービスにも爆笑。こういうのはニュースではわからない。

辻元清美の舌鋒鋭い論評には相変わらず舌を巻くけれど、安倍死亡のニュースを聞いて言葉を詰まらせる姿に別の一面も垣間見えた。

一方、YouTube番組の劇場版だけあってダイジェスト的で、1本のドキュメンタリーとしてはまとまりのない作品だとも感じた。とはいえ結論やテーマを浮かび上がらせるドキュメンタリーは本当にドキュメントなのかとも思うので難しいところ。

笑って、怒って、泣いて、民主主義の危機に憤りを感じる良作。選挙の度にどんどん量産してほしい。

追記
リアルタイムじゃない面白さもありますね。
ここのN党1議席ってガーシーじゃんとか、ホリエモンの目がいかに曇ってるのかとか。未来人視点だからこそ楽しめる。
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