やっち88

オットーという男のやっち88のネタバレレビュー・内容・結末

オットーという男(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

最初はどこにでもいる偏屈なおじいちゃんだなあと見ていたけど、見れば見るほどにオットーの虜になっていく映画でした。

厳しい言葉や冷たい言葉とは裏腹に優しさが隠しきれなくて、結局毎回手伝ってあげるオットーがすごい愛おしくて、でも妻ソーニャの後を追って自死したいとする彼がすごく切なくて、後半はずっと胸が締め付けられていた。

自死しようしても死にきれない間にどんどん自分を頼る人が出てきて、ツンデレオットーはもう仕方ないんだから!と手伝い、最初はどっか行け!と冷たい対応をとっていた猫もオットーが死ぬまで可愛がっててなんだこのツンデレじいじはと、笑いながら泣いてたってぐらい素敵なキャラクターだなと。

マリソルもこれまたいいキャラクターで、オットーが劇中唯一おまえはバカじゃないだろとツンデレながらも認める発言が多々あるキャラクター。肝っ玉母ちゃんで、ズケズケとオットーに絡んでいく。それがまたオットーの救いになっていくのがよかった。

基本的に描かれる現代社会はクソ!!!って感じ嫌いじゃないし、でもマルコムは受け入れる柔軟なオットーがいいんだよなあ。マルコムからソーニャの話聞いて、すぐに心許しちゃうオットー、ソーニャ好きすぎだろ!!!

規則通りにしか動くことの出来ないレジ店員、老人に立ち退きを迫ってくるルールを守らないクソ不動産、なんの法律も規則もなかったためにバリアフリー化されない地域を直そうともしない行政、駅のホームに人が落ちても誰も助けようとせず動画を撮ることに必死になってる若者たち、世の中にこんな人間幾らでも存在するのが悲しいよね。。。

英雄と言われても当然のことをしただけだと言わんばかりの早足で立ち去るオットーはまさにヒーローだった。

自死しようとする度にソーニャとの思い出が蘇って死にきれず、最後にはソーニャ本人から生きてと言われ、生きることを決意するオットー😭😭😭

ちゃんとオットーの最後までを描いてくれてよかったし、最後までオットーは幸せに命を大切に生きてくれたことが伝わる演出ありがたい。

とにかく後半に自分のことじいじって呼ぶオットー可愛すぎるだろーーー!ほれてまうやろーーー!!という映画でした。

感動系の中でもリアルでハッピーでハートフルな映画でした。
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