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サーチライト-遊星散歩-のdm10foreverのレビュー・感想・評価

サーチライト-遊星散歩-(2022年製作の映画)
3.6
【正貧】

「ヤングケアラー」「ワーキングプア」「格差社会」「その日暮らしの若者」・・・
今の日本の現状を一括りにして一本の物語を作ってみました・・・っていう感じかな。
テーマとしてはとても重いし切実。
決して遠いところの話ではないし、なんなら自分の身近にだって十分あり得る問題・・・。

・・・なんだけど、個人的にはちょっとフワフワした感じの方が強くて正直くすぐったく感じてしまった。
これは作品としてどこに向かおうとしたんだろう?
この現実に対して、何か「正解」を導き出そうとしたのかな?

っていうのもね、この中に出てくる「問題を抱えた子たち」に対して「悪いことはしちゃダメだよ」って言ってお互い手を取って光の差す方へ・・・っていう感じの物語にも見えるんだけど、それってちょっと軽すぎるというか無責任じゃないのかな・・・って思っちゃったのね。
どこか新海監督の「君の名は」や「天気の子」のような【世界(現実)に抗うセカイ(若さ故の青さ)】的な構図にも見えちゃって「このテーマの帰着をこんな上辺の話にしちゃっていいの?」と。

いや勿論「ただのフィクション」だから無責任でもいいんだけど、このお話(テーマ)に対して、ただ甘いチョコレートでコーティングしたような展開を見せられても、結局「世の中そんなに甘かねぇよ」って呟きに辿り着きそうな気がしたんです。

今回は中井友望ちゃん目当て(一択)で観たんですが、彼女が持つ独特の「二次元感」っていうのかな、現実社会に居ながらも今にもフワッと消えてしまいそうな儚げな感じは、ぴったりハマっていたような気がしました。なので、点数もちょい高め・・・というか、彼女じゃなければ観なかったかも・・・。

良いところもあっただけに、ちょっと引っ掛かってしまった部分もあったかな・・・
続きはネタバレって言うよりも、だらだら個人的な感覚を残します。
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