Martita

シモーヌ フランスに最も愛された政治家のMartitaのレビュー・感想・評価

4.3
またとてもいい映画を見た。

シモーヌ•ヴェイユは亡くなった時にフランスで国葬が執り行われたほどの、国民から本当に敬愛されていた政治家。

女性であり、ユダヤ人であったがために、彼女が経験した差別と苦痛は計り知れない。でもアウシュビッツを生き延びたからこそ、その後の彼女の強靭な精神があったし、社会的弱者に寄り添い、時には命の危険にも立ち向かい、フランスだけではなく、ヨーロッパの再建と平和のために力を尽くすことができたのだと思う。

映画はシモーヌが自分のメモワールを描きながら、過去の色々な出来事に思いを馳せる形で語られる。時系列で語られるのではなく、彼女の意識の流れの中で現在と過去が行きつ戻りつする。
一見無秩序な順番に思えるが、実は彼女の心の奥深くに封印されていた一番大事な思い出が最後に語られる。

このような政治家が存在したフランスが実に羨ましい。
Martita

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