しゅんすけ

ゴジラ-1.0のしゅんすけのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.4
「ゴジラ -1.0(マイナスワン)」

公開初日にTOHOシネマズ日比谷のIMAXで観てきました。
公開初日だからか、ゴジラTシャツを着た熱狂的なファンや、海外から来たゴジラ(特撮)ファンの人も多くて、上映後は自然に拍手があがるほど盛り上がってはいました。

自分はゴジラに全然明るくなくて、子供のときになんとなく平成ゴジラを何本か観たのと、大人になってから1954年1作目、「シン・ゴジラ」などを観たぐらいです。あと、ちょっと前にあった「GODZILLA 怪獣惑星」という劇場版アニメ3作品あったんですが、あれもあんまり楽しめなかったです。

観る前は正直全然期待していませんでした。
というのも、山崎貴監督作品があんまり好きではない。
自分が大学生のとき、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」というとんだズッコケ作品があったし、「ALWAYS 三丁目の夕日」の3作目も、無理やり3Dを使ったり、吉岡秀隆の演技がくどかったりという感じで、VFXはすごいのはわかるけど、それ以外の部分が「う~ん」っていう印象だったんです。

しかし、いざ観てみると・・・
ゴジラの登場シーンが結構多くて、大満足でした。
とにかくビジュアル、咆哮、そして熱線の吐くところの溜めてからの「ドーン!!!」っていうところが完璧にキマっていて、ゴジラの登場シーンはどれをとっても素晴らしかったです。あとはお馴染みのオリジナル音楽の流すタイミングなどもよかったですね。

不安視していた人間ドラマの部分は、神木隆之介、佐々木蔵之介、吉岡秀隆、山田裕貴のあの4人組のやり取りが臭いなーと思ったり、浜辺美波と出会うところとか結構芝居がキツかったんですけど、途中の民間でのゴジラ討伐作戦が始動してからはあまり気にならなくなりました。

最後の作戦決行シーンも、絵面も戦い方もすごい面白かったです。
「シン・ゴジラ」の作戦もケレン味が満載で面白かったのですが、本作の場合、科学と軍隊、民間の風船工場が一体となっての作戦というのがアガりますし、大砲などが効かない故に考え出された物理化学の力を利用してゴジラを止めるという部分が納得度高かったです。

 これは、ちょっとネタバレチックかもしれませんが、C・ノーラン監督の「ダンケルク」の影響をすごく感じました。
というのも、神木くんのキャラが「ダンケルク」でフィン・ホワイトヘッドとキリアン・マーフィが演じたキャラを足して2で割ったような人物ですし、山田裕貴とバリー・コーガンが演じたキャラも重なるし、序盤の逃亡から始まる展開や、終盤の空と海の作戦が並行する感じ、ピンチのときに訪れるあの展開(「トップガン・マーヴェリック」にも見えなくはないけど)含め、戦争直後の「ゴジラ」を描くにあたって、近年の戦争映画の傑作をヒントにしたのではないかと推察します。

正直、ゴジラのシーン観たさにもう1回劇場に行きたいです。
山崎貴作品では断トツに好きな作品になりました。おすすめです。