このレビューはネタバレを含みます
人間ドラマのパートはイマイチ乗りづらかったけど、ゴジラの街破壊シーンが大変景気良くて気持ちいいのと「ひとり死の恐怖から逃げ出して、多くの人の死を背負いながら、最後には立ち向かう」という主人公の設定が良くて、
決戦時にはゴジラも人間もどっちも同じくらいの熱量で応援しちゃった。ゴジラのテーマかかるタイミング素晴らしかったね！
最初のゴジラとの邂逅のとき、ゴジラが人間の上半身をぱくっと咥えて放り投げるところで、血がブシャッと出たり体が真っ二つになったりしないんだーみたいな物足りなさはあったけど、まあこれやっちゃうとちっちゃい子観れなくなってしまうから仕方ない。
序盤の日常パートで、物語を進める為に必要なことをちょっと形式張ったような言葉にするみたいな、舞台みたいな台詞の感じがイマイチ乗りづらいなあと思ったけど、ゴジラとの戦闘シーンになるとこれがまあ映える。
主人公の設定が良い。恐怖に負けて逃げて生き延びた先で悪夢にうなされ続ける……戦争や災害のような命の危機、そして隣で誰かが死ぬことでのトラウマってまさにそういうことだと思うから、"怪獣"が襲ってくることへの恐怖の描き方としてこれ以上ない。
市政の人々が立ち上がるシーンが大好きなので、あの船でみんなが駆けつけてくれるシーン良かった。
民間チームの説明会で離脱する人が当たり前にいてそれを咎めなかったり、命懸けの作戦の目標が全員で生きて帰ることだったり、若者を危険な作戦に巻き込みたくないと遠ざける大人がいたりと現代的な命の価値観で物語は進めつつ、
国を守る兵隊に憧れる若者がいたり、作戦の準備で国民を守れる喜びの描写があったりして、
現代の戦時フィクションとして倫理観のバランスをちょうどよく取ってる。
街破壊描写がすごく景気が良くて、すごくテンション上がった。ビーム打つ時のしっぽの先からキュインキュインってなるのもわかりやすくカッコいい！
飛行機を目線で追いかけたり、真顔で立ってるところを真正面ど真ん中に写した時のなんともいえないおとぼけ感は大きい猫ちゃんみたいで可愛いかったな〜。
神木くんのボアのついた革ジャケット姿はめっちゃ仮面ライダーっぽい……！と思った。やっぱ特撮主人公といえばこれなのかな？
最後のりこさんが戻ってくる展開は、どっちにしろ私はあんまり……後味が濁っちゃった。
