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ゴジラ-1.0のkuuのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.9
『ゴジラ-1.0』 映倫区分 G
製作年 2023年。上映時間 125分。
日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔『ゴジラ』の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目。
山崎貴が監督・脚本・VFXを手がけた。
タイトルの-1.0の読みはマイナスワンやそうな。
主演を神木隆之介、ヒロイン役を浜辺美波が務め、2023年4~9月に放送されたNHK連続テレビ小説『らんまん』でも夫婦役を演じて話題を集めた2人が共演(昨年の紅白でも出とった)。
戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺が演じる。
そのほか山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、 佐々木蔵之介と実力派豪華キャストが共演。

舞台は戦後の日本。
戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り『無(ゼロ)』になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。
ゴジラはその圧倒的な力で日本を『負(マイナス)』へと叩き落とす。
戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく。

今作品は、2016年に製作された『シン・ゴジラ』に続く、東宝による日本製作の最新ゴジラ映画です。
レジェンダリー・ピクチャーが所有するモンスターヴァース(ゴジラとキングコングを主人公とした一連の怪獣映画を中心としたアメリカ合衆国のメディア・フランチャイズ)との契約の性質上、東宝は(一部のアニメ企画を除いて)自社のゴジラ作品の製作を断念せざるを得ず、同社のゴジラ・シリーズへの復帰は、コロナ禍とかの他の要因によってさらに先送りにされていたそうな。
山崎貴監督は、近年感じている不安感を映画のアプローチに取り入れ、恐怖の体現者としてのゴジラのアプローチに殺伐とした感覚を加えるために、第二次世界大戦の敗戦直後を舞台にすることを決めたと映画雑誌てのインタビューで述べてた。
今作品での際立っているって感じるとこは、この映画のキャラと環境が驚くほど練り込まれていることと云える。
ごく稀な例外を除いて、多くのゴジラ映画は、人間の登場人物が義務的に存在しているように感じられることが多く、1954年のオリジナル作品に登場した芹沢博士(と、アメリカでの再編集版に登場したレイモンド・バー演じるスティーブン・マーティン)を除いては、人間の登場人物についてそれほど印象に残るものを語るのは難しい。
今作品では、山崎貴監督のキャラがとてもよく練られていて、これがゴジラ映画であることを忘れてしまうほど感情移入してしまった。
特に、敷島浩一、大石典子、晶子のキャラは魅力的な家族であり、この3人の壊れかけた人々が、ほとんど気づかないうちに、うっかり一緒になって、自分たち全体を形成していることに気づかされる。
神木隆之介は敷島浩一役を好演し、PTSDとサバイバーズ・ギルト(災害、事故、事件、虐待などに遭いながら助かった人が、同じ体験を経ながらも助からなかった人に対し、しばしば感じる罪悪感)に悩む男の胸を打つような生々しい演技は見事に実現され、満足のいく形で報われる確かな弧を描いていた。
今作品には、浩一の仲間を含む素晴らしい脇役陣も出演しており、それぞれが印象的で魅力的で、しばしばユーモアと人間味を添えて、映画が過度なものにならないようにしていた。
しかし、今作品には多くのキャラと感情が登場するからといって、それが怪獣映画であることを忘れてはならない。
山崎監督はその点で、最近の記憶にあるこの題材の中で最も硬質で、強烈で、しばしば恐怖を感じさせるバージョンを見せてくれてます。
山崎監督は今作品を戦争映画のように撮影しており、アクションが人間の登場人物のレベルから離れることはほとんどない。
アクションシーンの緊迫感やスリリングさは、『1917』や『ダンケルク』といった最近の戦争映画のベンチマークを思い起こさせてくれた。
ゴジラ自身の姿も個人的は好ましく、序盤の巧なシーンは、後の木製掃海艇を追いかけるシーンに矮小化され、絶対的に恐ろしいシーンもある。 今作品がたった約20億円(推定)で作られたにもかかわらず、その何倍もの製作費をかけた映画よりも良く見えるという事実が、今作品をより印象的なものにしている。
個人的には今作品は驚きやった。
ガチガチのゴジラファンではない小生はふらっと劇場に立ち寄り見たのがこないに面白いとは。
技術的な面だけでなく、キャラやストーリーにもこれほど感動するとは思っていなかった。
途中地震で揺れたのは、映画の臨場感故のものかと思たが、マジの地震やった。
日本海側にお住まいの方は今後もお気をつけ下さい。
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