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ソフト/クワイエットのdramaticgasのレビュー・感想・評価

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)
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カレン体感型ファニーゲームUSA(但し加害者視点からの)なムービー。

ワンカット演出で強制的に感情移入させることで観るものを嫌な気持ちにさせることに特化したタイプの映画ではあるけど、主人公たちがあまりに愚かで、胸糞悪い展開の全てがその主人公たちの愚かさに起因して起こり(そして悪化し)続けるので、観客は安全圏から本作を(露悪的に)楽しめるようになっている。でもアジア人(特に私のようにアメリカに住んだ経験のあるような)は、どうしても被害者の方に感情移入させられてしまうので、鑑賞後の心理的ダメージは大きい。

田舎の元クィーンビーとジョックスのホワイトトラッシュ的パワーカップルとその取り巻きというサル山のサルたちが、真の暴力世界で生きるムショ帰りのリアル殺人チンパンジーと同じ土俵に立つと、あっさりと支配される側になる様は最悪で最高で、本作のコアは寧ろこの辺りにあるのかもしれない。