怒りも悲しみも心の奥にしまって、一人だけ時間が止まったように生きてきたその人に、前を向いて歩き出してほしい。傷付いた大人女性と真直ぐな少年という一部性癖に突き刺さりまくる関係性にポンコツだけど優しい大人たち、負けヒロインそして猫と原作の空気感よく出てた。
そして何より広瀬すず映画で、こんな長い間不機嫌そうな顔してて画面が持つのはこの人だからで、子供時代に経験すべきことを経験できず経験すべきじゃないことを経験してしまったために大人なふりをしてるけど大人になれない歪さは彼女が演じると何故か迫真を得る。
空気感はしっかり継承してるものの、原作で僕らを繰り返し圧倒してきたキレキレのパンチラインは敢えて使われなかったものが多く、ここであのモノローグがあったら、あのセリフが入ったら一気に締まるだろうな、というシーンがいくつかあった（原作厨）
原作の魅力を継承して三次元で増幅してる最たるもの、榊さんのポトラッチ丼をはじめとする手料理描写が想像以上に充実してて一風変わった飯テロ映画感あった。生活感であり、コミュニケーションの代償行為でもあり、時に自傷のようでもあり。本人より色々語る料理たち。
