吉田ジャスティスカツヲ

怪物の吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
5.0
同調圧力。いじめ。悪意のある噂。
事なかれ主義。謝罪になっていない謝罪。
いまの日本を象徴するような煮詰まった空気の中で【"普通"や"幸せ"や"家族"とかに心をすり潰されそうになっている人たち😖】の物語。

・我が子の異変に気付き、何度も学校へ乗り込む母親。
複数回ある応接室の場面は、下手なコント番組より笑える。

・生徒への体罰を疑われる若手教師…
イヤイヤ謝罪させられる時の、その所作が最高。

・事態を穏便に済まそうとする学校…
自分のプライベートな事案まで穏便に済ませ過ぎて、逆に不幸になっている校長先生。

ウン。ここまでで話の方向性が読めたべ。と思ったら監督の思う壺😏
やがて羅生門のごとく各キャラクターの異なる視点から意外な真相が浮かび上がり、物語は全く予想外の展開を見せ空中キリ揉み大回転して、ハッピーエンドに大着地💯

【この映画の構造そのものが体現していましたように】人間誰しも、先入観や偏見からは逃れられません。
とくに大人は下手に人生経験があるからこそ、目に見える情報と思い込みで他人を勝手に判定しがち。

でもね…人ひとりの経験と知識など、世界の広さに比べれば些細なもの。
世の中には様々な事情を抱えた人たちがいて、だからこそ対話と理解が必要なんですよ。
これはたぶん属性の話ではなくて、魂の話なんだと思います。


怪物とは誰か?はどうでも良くて
【怪物とは何か?】を考えさせる作品。

そして【黒川想矢くん】と【柊木陽太くん】。
本年度、私的ヨシデミー新人賞にノミネートだよ‼️おめでとう🎊