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絶好調のLCのレビュー・感想・評価

絶好調(1965年製作の映画)
4.1
面白かった!

1作の映画の14分が短編として独立したらしいのだが、確かに独立に耐えうる14分だと感じる。

ソロキャンを楽しんでいたら、移動するように命じられる。
素直に向かった先で目の当たりにするのは、「キャンプを楽しむ」ことより何かが優先されている景色。
ていうかあれ、みんなキャンプしてたんだよな…キャン…プ…?

風を頬に感じ、草花の揺れる音に耳を傾ける。限られた物しかないけど、不便さの中で主人公は何を楽しみたかったのか。最後の背中を見てニコニコできる。

主人公のコミカルな動きもだけど、音も良い仕事をしている。クスッとする瞬間が散りばめられている。
だからこそ、キャンプって何だっけ…という景色を暗い気持ちにならないままに主人公と眺められる。
こういうのから離れて、キャンプでしか得られない何かを求めて来たんだろうに、「何でも管理する方が楽」という考えのもと営まれているものの脅威を感じたりする。キャンプで描いたからこそ、わかりやすくなってるのかな。

「砂糖を入れたコーヒー」じゃなくて、「コーヒーを吸収した砂糖」になってるところで一気に心を掴まれた。それもそれで楽しめるゆとり。ゆとりのない空間からの解放。
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