ぶみ

愛のこむらがえりのぶみのレビュー・感想・評価

愛のこむらがえり(2023年製作の映画)
3.0
あなたの夢は、私の夢。

髙橋正弥監督、磯山さやか、吉橋航也主演によるコメディ・ドラマ。
映画監督を夢見る主人公と、彼の夢を叶えるべく奮闘する彼女等の姿を描く。
映画に熱い思いを持つ主人公・浩平を吉橋、浩平と同棲する彼女・香織を磯山が演じているほか、柄本明、品川徹、吉行和子、浅田美代子、菅原大吉、篠井英介、菜葉菜、京野ことみ、しゅはまはるみ、和田雅成と、何気に脇役陣も豪華なメンバーが勢揃い。
物語は、いつまでもうだつのあがらない浩平と、彼が作成した自主映画に感動し、公務員を辞め、同棲を始めた香織の姿を中心に描かれるが、展開自体は至って普通。
ジャンルとしては、コメディ寄りのドラマであるとともに、映画にまつわるような小ネタも、そこそこ盛り込まれており、篠井演じる現実味なしの謎のキャラクターも登場するのだが、全体的に、スベり気味なのは否めない。
そんな中でも、もやは邦画界の重鎮であり、スクリーンに欠かせない存在となっている柄本の登場シーンが思いのほか多く、彼が登場すると一気に空気が引き締まるのは流石の一言。
髙橋監督と言えば、先日公開された『渇水』が記憶に新しいが、『渇水』が終盤にかけて失速気味になったのが残念だった半面、本作品では、終始一定のテンションを保っていたのは、良かったところ。
邦画界の皮肉をズバッと突いてくる台詞が時折発せられることから、そうそうと思うところがあり、ハートフル・コメディとして悪くない仕上がりなのだが、そんなに特徴があるわけでもないため、もう少し振り切れていても良かったかなと思うとともに、磯山の笑顔に癒されることは間違いない一作。

痛くないよ、ペインレス。
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