一体、どこまで行く。
序盤から待ったなしな受難の連続で、終わりまで連れて行く気満々な、ジェットコースタームービー。
現実であればすぐに捕まるべき悪徳警察が主人公にも関わらず、泣き面に雀蜂相当の災難と、ムダにハイテンションな悪足掻きが面白く、そんな状況振り切って突っ走れ！とアドレナリンが沸き上がる乗り心地の良さ。そして、ヒールとして立ちはだかる矢崎の爬虫類的な気味悪さが、ライド感にスリルを味つける魅力がありました。
ストーリーとしては、気狂いな登場人物たちが真っ当な選択肢を踏み潰して、自ら地獄の盆踊りに飛び込むような、突っ込みどころの多さが目立つ印象。なのに、そんなことを考える余地も与えないスピーディーな展開が、「ここまで走っちまったな相棒」と気障に笑わせるレベルで思考の制限速度を踏破してくる。なんとも、イカれ具合がくせになる作品。
アクセル全開な日常が続いてほしいからこそ、ああ、主人公たちに災難あれ。と願ってしまいそうになる、まさに他人の不幸は蜜の味な映画でした。
