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ヴァイキング・ウルフのkuuのレビュー・感想・評価

ヴァイキング・ウルフ(2022年製作の映画)
2.5
『ヴァイキング・ウルフ』
原題. VIKINGULVEN/VIKING WOLF.
製作年2022年。上映時間.98分。
[Netflix作品]
ある町で起きる不可解な殺人事件を描くホラー。町に引っ越してきたばかりの少女が、ある事件を目撃して以降、えたいの知れない欲望や幻覚に悩まされるようになる。
メガホンを取ったのは『エレベーター』などのスティーグ・スヴェンセン。
キャストには『サイコビッチ』などのエリー・リアンノン・ミューラー・オズボーン、リーヴ・ミョーネス、アルトゥル・ハカラフティら。

引っ越してきたばかりの町でパーティーに誘われ、そこで異 様な殺人事件の目撃者となった少女。
やがて彼女は、不思議 な幻覚や奇妙な欲望に翻弄されるようになり。。。

モンスター映画が誕生して以来、VANP(吸血鬼)と並びライカンスロープ(人狼)の神話は引っ張りだ題材。
しかし、最近やと少し人気が落ちる人狼。
1913年、ヘンリ・ボーグランドの短編小説『The Werewolves』を原作とするヘンリー・マクレーが短編映画を製作し、ライカンスロープが映画界に旋風を巻き起こしたのは間違いない。
今作品はその人狼を扱ったティーンホラーで、ノルウェー語の原題『Vikingulven』は、『Viking Wolf』(ヴァイキング・ウルフ)という意味。
監督と脚本を担当したスティグ・スヴェンセンは、主にティーンエイジャーにアピールするために人狼を選んだんかな。
オッサンとしてはもう少しインパクトある特撮が欲しかった。
正直、物語の内容は後々まで、印象にキツく残るモノはなかったが、ただ、景色はとても美しかったってのは覚えとります。
その獣は、『マペット・ショー』からそのまま出てきたような、とんでもない血まみれのクリーチャーにほかならなかった。
これが確りと登場すんのは最後の25分位からで(軽くは残り50分位で姿は見れるが)、それまでは、血みどろの好きなホラーファンは、ゲロを吐く少女や、死体を表すと思われる人形を空中に投げたりしてやり過ごすしかない。
しかし、今作品には、ホラー映画の成功のためのすべての要素が揃っている。
揃ってはいるが残念ながら、スティグ・スヴェンセン監督は、この簡単に忘れられるスリラーの中で、2、3分ごとに出てくるノルウェーの風景を撮影した退屈なドローン写真のほうを気にしているように感じる。
バカバカしく、あまり芳しくない演出フィナーレを除けば北欧の犯罪シリーズの平均的なエピソードに過ぎないと思えた。
最後の最後、母ちゃん撃たんかったんかいっっっっ!!!
個人的には、1981年のジョン・ランディス監督『狼男アメリカン』や、同年のジョー・ダンテ監督『ハウリング』を再見したりする方が有意義やったかな。
ノルウェーの伝承怪物より、ノルウェーの景色を楽しみたいなら悪くはない作品かもです。
余談ながら、映画の原題はマイケル・ジャクソンのミュージックビデオへのオマージュとして『Thriller』やったそうな。
しかし、脚本制作の後半に『ヴァイキング・ウルフ』に変更されたそうです。
ターレ(エリー・リアンノン・ミューラー・オズボーン) が変身してヨナス(シュール・ヴァトネ・ブレアン) を襲うシーンは、『Thriller』のミュージックビデオにちなんでいるそうですよ。
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