たかくらかずき

君たちはどう生きるかのたかくらかずきのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

宮崎駿先生、圧倒的高みに到達!

物語への態度についての作品。そしてそれはジブリ過去作へのメタフィクションでありながら、古事記やギリシャ神話的なお伽噺のルーツのような質感も持っている。そしてとても錯乱しているように『見える』が実はものすごく構造的な作品。ルールでできている。

ホドロフスキーのエンドレスポエトリーやテリーギリアムのドンキホーテと同じ局地。生と死、想像力と記憶、日常と物語、そういうあらゆるものを全て並列に思考することを試みて成功している。そしてこれから生きる人々への眼差し。死との距離感は銀河鉄道の夜なんかも思い出させる。この今までで一番静かな宮崎作品は、見たあととにかく作るエネルギーをもらった。

日本はとんでもないカルト映画監督をずっとポップスターとして崇めてきたなぁ。『風立ちぬ』を見た時はそのカッコつけ方に非常にがっかりしたので、この作品を見せてくれて本当に嬉しいです。

そして彼全く気づいてないと思うけど今流行りのマルチバースものになってるのもすごい。

2回目の感想は以下
https://note.com/takakurakazuki/n/n9ad1e8aa0443
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