倉持リネン

君たちはどう生きるかの倉持リネンのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.0
2023年劇場鑑賞23,24本目。

・めっっっっちゃ変な映画。
・原作は未読だが多分関係ない。
・菅田くんの好感度爆上がり。
・米津玄師「砂の惑星」に近いものを感じた。
・宮崎駿は最高のクソジジイ。



うーん、ネタバレなしで書けるのはこれくらいかしら……





という訳でここからネタバレ(ほとんどふせったーに書いたやつ)

まず、私は本作を公開3日目に観た。
全く情報を入れずに観ようと思っていたが、事前に「今までのジブリ作品は宮崎駿の水割りだった」というツイートだけ見てしまい、どういう事なんだ…と思いながら鑑賞。

すると、結構序盤から湯婆婆みたいな婆さんが一気に7人出てきて「濃度とかじゃなく物理的な数の話!?」と結構笑ってしまった。

この辺から「あ、この映画、変な映画だ…!!」と気付いて、理解しようと言うよりも「変だな〜、でも絵うまいな〜笑」位の感じで観れた。

多分、本作が訳が分からない!なんだこれ!と怒ってる層は単純に変な映画に慣れてないか、慣れてたとしても宮崎駿はエンタメ映画を作る人で変な映画を作る人じゃない!と思っていたのでは無いか。

まあ、私も宮崎駿は割とエンタメの人だとは思っていたが、とはいえ頑固な爺さんが晩年(まだ生きてる)に作った映画だしなぁ。と


それでいうと、色んな人が大叔父さん=駿で終盤の石は過去の作品だ!と言っていて、成程と思う反面みんながその考察に納得してしまうくらいには駿にはそういうナルシズムがあるって事を皆知ってるんだなと思うとジワジワくる。

だって、石=過去作で正解だとして、自分の過去作品を「この世界で唯一の穢れていない存在」「後継者は結局居ませんでした」と言ってしまうの、ヤバいでしょ!笑笑

そんなヤバさを割とみんな受け入れてるあたり、国民皆に愛されてるクソジジイって感じで、作品作んなくてもいいから長生きしてねと思った


娯楽映画では無いと散々言われているがシュールな笑いは結構あったと思う。個人的にはキムタクが眞人がセキセイインコになっちまったァ……と何故かインコを正式名称で言い直したシーンとかめちゃくちゃ笑っちゃったよ

あとなんか、大叔父さんに「積み木をひとつ足すんじゃ……」的なことを言われた時に謎に積み木をひとつ足すイメージ映像?みたいなのが挟まって、いやそれいる?とジワジワきた

ババア達の動きも面白いし、君生きバードことサギ男も変すぎて面白い(本当に菅田将暉さんの演技凄い)し、セルフオマージュにしても多すぎるだろ!って感じで面白いし、なんかめちゃくちゃな映画だなとは思ったけど面白いか面白くないかで言ったら確実に面白い映画だった。
倉持リネン

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