原題の『Ruido』(騒音、ノイズ)が何故か『ざわめき』に。邦題で潜在的なView数をかなり失ってるはず……(一応内容的には合ってる)。
子どもが行方不明になった親の会。警察や政治権力がマフィアと癒着しているメキシコで、頼れるのは民間団体だけ。
警察は賄賂がなければ捜査すらしてくれないし、平気で市民を見捨てる。
フーリャがヘルの手がかりを見つけられずに苦悩するシーンが連続するのでとても辛い映画ではあるけど、親の会の人達とダンスをするシーンだけが唯一心安らげる瞬間だった。
正直、フーリャの心象風景を映すシーンは露骨すぎて逆に没入感を削いでいる面がある。それでもバスのシーンは本気で怖く、救いのない未来に向かって歩を進めているようだ。
麻薬戦争、誘拐、殺人(フェミサイドも)等に対する強い批判的なメッセージが込められた佳作。
無力感と同時に僅かな希望がここにある。