映画化３作目となる本作は、原作ではまだまだ序盤の物語といえるが、一方で２作目と異なり物語が動き始めてくるところでもある。まず、2作目ではまだ歩兵のひとりだった信が王毅からの試練を経て100人隊隊長となるところから始まる。一方で、描かれる嬴政の過去。嬴政に大きな影響を与える紫夏役の杏については予告でわかっていたものの、ビジュアル含めてとてもよかった。一方で、万極の山田裕貴の見せ場はお預けか…など、キャストについては色々ありつつも、後半に明かされるキャスト等（龐煖さんとか李牧とか…）など気になることも盛りだくさんだ。
今作ではどこまで描かれるのかと思っていたら、これまたこの戦いの見せ場ともいえるところは、次回へと続く…といった終わり方で、次回作については、期待しかない。きっと、あれもこれも、見せてくれるに違いない。しかしながら、冒頭にも書いたように今作では嬴政の過去編では見ている側の心を揺さぶり、信の100人将としての闘いにはワクワクさせられる。「飛信隊」誕生シーンも「そうでした、この方が名付けたんでしたね」と胸が熱くなった。改めて、「キングダム」という原作の印象に残るエピソードの多さを痛感した。
そして、何より実写版「キングダム」はやはりキャストの再現度が素晴らしくて。
まずは、当初危惧されていた批判をことごとく跳ね返す役者さんたちに感謝したい。信や嬴政をはじめとし、王毅の大沢たかおさんのプレッシャーなんて半端なかったと思うが、昨今の実写化によくある「コレジャナイ感」を感じさせず、かれこれ3作目なのである。そして、今となっては大沢たかおさんの王毅は見事にハマったし、信と嬴政も他のキャストではもう考えられないので、1作目のレビューにも書いたが、可能な限り急ぎ続きも撮影してほしい。そうそう！今回明かされた龐煖も、登場時間はわずかであったが、この物語において大きな意味を持つ龐煖だけに一体だれかと思っていたが、なるほどと思えるキャストと登場だった。
さらに、映画「キングダム」の面白さは、やはり合戦シーンの素晴らしさがあると思う。あのロケーションでキングダムの戦いを再現し、見せてくれる。人間離れした信や羌瘣の戦いを再現して見せてくれる。原作を読んでいた時見ていたシーンはこうだったのか！という新たな気づきもある。
今作の終わり方を見て次回作に期待しか持てないのだが、李牧も登場した今、まだまだ続くと思っていいのだろうか。いや、そう信じたい。
