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岸辺露伴 ルーヴルへ行くのYACCOのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
4.0
3年間にわたり年末に放送されていたドラマ版を楽しんでいたひとりとして公開日に鑑賞。
私が見た回はほぼ満席といった感じで、人気の高さが伺える。原作は既読だが、あのボリュームの話をどう2時間の映画にするのだろうと思っていたが、原作を尊重しつつも、演者さんたちの魅力も十分に発揮させる(高橋一生さんの使い方がとても良き)とても良い2時間になっていた。
あの原作の世界観を損なわずに、実写するのは様々な意味で困難も多かったと思うのだけれど、ドラマで作り上げてきたものをそのまま背伸びせずに丁寧に映画化しみせてくれたと思う。
そして、舞台となるルーブル美術館が素晴らしく。ルーブル美術館というロケーションを活かした映像は見所のひとつであることは間違いない。このルーブルと岸辺露伴の構図はもっと見たかった。
また、露伴や泉の衣装にもついつい目がいってしまうのも今作ならではか(あの独特な衣装を着こなせる役者さんたちのポテンシャルのすごさよ。)
今回、露伴がルーブルに行くきっかけとなる「黒い絵」については、原作よりも詳細に色々と描かれる。そこの演出や見せ方は原作にはない部分で、なるほどと思わされたが、蛇足と思う人もいるかもしれない。あと、少年露伴が思っていたより無垢な感じがして、一体この後彼に何があってこうなったのだろうと思ってしまったけれど…そこは、露伴の祖母を演じた白石加代子さんが素晴らしかったことで、相殺かな?(その後も登場する、祖母のサングラスの小ささよ)
兎にも角にも、ドラマシリーズを楽しんでいた方ならば、楽しめること間違いなしの今作。原作漫画、ドラマと楽しんできたひとりとしても満足のいく一作でした。
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